ムルティプラの天国と地獄の話

ムルティプラが車検から戻って2週間経った日のことである。

ちょうどその日は、親戚の家に集まる用事があったので、家族を連れて市川の本八幡まで向かうことになった。

日曜の朝の首都高は車も少なく、このムルティプラといったら、シフトの入りや加速がこれまでにないほどスムーズで、

「これは過去最高の状態だ」

なんて、後部に座る家族に話しながら、気持ちよく走らせることができていた。

 

親戚の家に到着すると、中学生の姪っ子を駅まで迎えに行ってほしいというので、いったん家族を下ろして、10分ほど先の駅まで向かった。

その途中、信号待ちで減速した拍子に、ムルティプラがエンストしてしまう。

まあ、これまでも減速時にエンストすることはたまにあったので、今回も同様のことだろうと気にもせず、エンジンをかけ直し再び走らせる。

ところが次の信号でも、またエンストしてしまう。

 

これはおかしいぞ。。。過去のケースだと、一回エンストしたら、その日は同じ症状が起こることはなかったのに。

まさか、クランク角センサー交換で解決したはずのエンスト問題が、再び再発することになるとは。。

 

駅まではすぐだったので、そのまま走らせてロータリーで姪っ子を待つ間、アイドリングの様子を見ていると、みるみるうちにアイドリングがしぼんでいき、エンジンがかからなくなってしまったのである。

  • セルが回って、エンジンがかかるので、バッテリーではない。
  • エンジンをかけたあとに、アクセルを踏み込めば、そのまま回転数も上がるのでガス欠でもなさそうだ。
  • クランク角センサーの時は、減速時にだけ起こった問題だった。今回は停車時のアイドリングなので、それとも違う。

原因はさっぱりわからなかったが、シガーソケットの電源を抜いたり、エアコンをON/OFFにしたりして、何度かエンジンをかけていると、そのうち普通に戻ったので、まずは駅に到着した姪っ子を乗せて、親戚宅に戻ったのである。

 

そして用事を終えて、帰宅しようとムルティプラのエンジンをかけると、またアイドリングしないまま、エンストを起こしてしまう。

これは明らかにおかしい。

先ほどは何度かやっているうちに元に戻ったのだが、今回は治る気配がない。

「ああ、これはレッカー呼ばないとダメだ・・・」

という結論に至ったのであるが、そこで問題が一つある。

 

きっとS店は忙しすぎて受け入れてくれないだろう。

そうなると、保険会社の提携工場をどこか紹介してもらって、入庫させるか。

いやしかし、つい2週間前に整備してもらったのだから、S店で見てもらう方が、やはり良いのではなかろうか。

 

どこに入庫させるか、迷いに迷った。

2週間前に車検で預けてなければ、どこでも紹介されたところに運んでもらっていたと思うが、まずはダメもとでS店に聞いてみよう。

というわけで、電話をすると受付の方が

「うちも今入庫が一杯いっぱいで、ちょっと余裕が。。」

と言う返答。

それはそうだ。ただでさえ忙しいお店なのに、急にこんな厄介なクルマを見てもらおうなんて、やっぱり申し訳ない。

そこは納得して、電話を切ろうとしたのだが、向こうでも車検後すぐのトラブルを不憫だと思ったのか、調整させてほしいといって、いったん電話を切って待つことになったのである。