その日のお昼にムルティプラで走っていたときには、不調を感じることはなかったのであるが、夕方になって家族で食事に行こうと、もう一度動かしたときのことである。
せまい道路で一時停止しようとして減速したときに、スーッとエンストしてしまったのである。
まあ1回くらいエンストしても驚くことではないので、またエンジンをかけ直して走り出したのだが、次のコーナーで減速してクラッチを切った瞬間に、またもやエンストしてしまった。
さすがに2回続くのはおかしいと思い、エンジンをかけ直したあと、しばらくアイドリングして様子を見てみるが、別段おかしなところはない。
目的地までは5分くらいの距離だし、おおかた機嫌でも悪いのだろうと再び走り出す。
その後2回くらい信号で止まることがあったが、今度は大丈夫である。だが、お店に入るのに左折する瞬間に、再びエンストしてしまった。
そして、そのとき、はじめてメーターパネルに目をやると、「engine oil press low」という警告が表示されていたのである。
エンジンオイルが減っているのが原因だという。
しかし、オイル交換してから3か月ほどしか経っていない。駐車場でオイルレベルを調べてみたが、やっぱり既定のレベルである。
まったくもっておかしな話である。
だが、こう減速のたびにエンストしていては、危険極まりない。
食事もそっちのけで、何か情報がないか調べてみると、fiat forumで同じような症状に悩むスレッドを発見した。
そして、そこには非常に興味深いコメントが投稿されていた。
「オイル量の警告が出てから、エンストするのではなく、エンストしてからオイル量の警告が出るのではないか?
そして、アクセルペダルから足を離した状態の時に、エンストが発生するのであれば、それはアイドルコントロールバルブが原因である」
つまり、
アイドリングの不調でエンスト
→エンストの瞬間にオイルポンプがストップ
→ムルティプラが勘違いして、オイル警告を発令
ということらしい。
アイドルコントロールバルブの不調については、「スロットルやばいですね」と、前回の整備時に指摘されていた個所なのだ。
すべての辻褄がぴったりと合った。スロットルボディが、ついに寿命を迎えたに違いない。
そこで帰り道に実験をしてみる。
減速時にクラッチを切ったとき、つま先でブレーキを踏みながら、かかとを使ってアクセルをふかしてやると、今度はエンストしない。
やっぱり原因はスロットルにあったのだ。
スロットルボディは、次回交換するつもりでいたので、すでに海外から手配済みで手元にある。なんとタイミングが良いのだろう。
だが、問題はどう交換するのかである。S店に頼むにしても、入庫まできっと1か月は待たされるだろう。
それまで、ヒール&トゥをしてアイドリングを調整するなんて、とてもじゃないが、足が疲れてやりたくない。
こうなったら仕方がないので、自分で交換してみよう。