ムルティプラのスロットルボディを交換した話

私の住まいは東京の雑司が谷という場所である。

昭和の面影を色濃く残す、人情味あふれる町なのだが、近所に顔見知りも多く、月極駐車場でムルティプラのメンテをしていると、「また車をいじってるよ」的な目で見られるのが、ちょっと恥ずかしい。

だから、このスロットルボディ交換も、作業前に入念に段取りをイメージして、なるべく目立たないように、手早く済ませなければならない。

まず、スロットルボディの上にネジ止めされているパーツだが、この部分はアクセルワイヤーの調整も兼ねている。

このムルティプラは、アクセルワイヤーの調整用のピンが無くなっていたらしく、前回の整備で、S 店の人が工夫してピンの代用を作成してくれた。これはもったいないので外さずに、パーツごと流用することに決めた。

左上に見えるパイプはクーラントが通っているらしいので、ここも外さずに流用する。

スロットルボディの反対側、インテークマニホールドと言うみたいだが、その接続部がどうなっているのか、わからなかったが、ゴムパッキン用の切込みが入っていた。

この切込みと、スロットルボディの間には、さらに1枚のゴムパーツがあり、片面には緑色のパッキンが付いていて、反対側には茶色いガスケットシートが貼ってある。

緑色のゴムパッキンは、調達していなかったので、そのまま使うことにする。ガスケットシートは型取りして交換しておこう。

 

ガスケットシートを作っていると、隣に住んでいる駐車場のオーナーが散歩に出てきた。

「マズイ、見つかってしまった」と思いつつも、「おはようございます」とあいさつする。

 

「どうしたんですか?」

「いえ、少し調子が悪いので、部品を交換してまして」

「そうなんですね、こんなところまで、自分でやられるなんて、大変ですね」

「いえいえ、こんな場所ですみません。なるべくご迷惑かけないように、すぐ終わらせますので」

「大丈夫ですよ、何か必要なことあれば、言ってください」

 

オーナーは迷惑顔するどころか、暖かな言葉をかけて去っていく。

なんて良い人なのだろう。。

 

そうはいっても、これ以上目立つわけにはいかないので、あとは元通り組み付けて、無事に交換作業は終了した。

 

交換後の状態だが、あれほど波打ち、時には3000回転以上に暴走していたアイドリングが、嘘みたいに安定した。

エンジン音も静かになり、効果は抜群である。

 

これでエンストも治っただろう、、と思ったのであるが、、

なんと、エンストの症状は治らなかったのである。

まあ、アイドリングが安定しただけ良しとして、エンストに関しては、次なる原因を探らなければならない。