スロットルボディを交換して、アイドリングがすこぶる調子よくなったムルティプラであるが、依然として減速時にエンストが起きる症状はなくならなかった。
エンストの原因をネットで検索してみると、燃料ポンプの不具合というのも、多数報告されている。
そういえば思い当たるフシがあった。
あれはさかのぼること3か月ほど前、ガソリンを満タンにした時のことである。
そこは有人のスタンドなのに、ハイオクが一番安いので、よく利用しているのだが、その日は、初めて見る若者がホースを握っていた。
ミラー越しに作業の様子を見ていると、給油が自動で止まったあとも、カチカチと小刻みにレバーを押している。
その動きがぎこちないうえに、やたらとカチカチする回数が多いので、いい加減やめてくれないかなと思いながら見ていると、急にその場でしゃがんだ後に、こちらに来て
「あの、ガソリン漏れてます」
と言ったのである。
「漏れてるだと、お前が、カチカチやりすぎて、漏らしたんじゃないのか」
と言ってやろうかと思ったのだが、外に出てみると、たしかに後輪のタイヤハウスの隙間から、ヒタヒタとガソリンが漏れていたのだ。
すると、後ろにいたベテランの店員さんが寄ってきて、
「燃料ホースの上の方に亀裂があるかもしれませんね」
と言ってきた。
様子を見ていると、すぐに漏れは止まったので、それからは、ガソリン満タンにしないように気を付けて、今日まで乗っていたのである。
もしかしたら、このガソリン漏れの原因は、燃料ポンプではないだろうか。
ムルティプラの燃料ポンプの故障は、さかんに報告されているので、エンストの症状も燃料ポンプの寿命が近づきつつあるサインなのかもしれない。
燃料ポンプを見れば、ガソリンが漏れだしているかどうかくらいは、すぐに確認できるだろう。
ということで、調べようとしたのであるが、、、開けてびっくり、絶句してしまった。
なんということだ、、、蓋がガムテープで、、
これはひどい。中に悪霊でも封印しているのだろうか...
劣化してこびりついたガムテープをはがすと、ネジ穴が壊れて、閉まらなくなっている。
購入店では、燃料ポンプの整備はしていないので、これをしたのは前のオーナーの時代である。
自分でやったのか、整備を依頼した店がやったのか、、、いずれにしても、なんとまあ愛のない処置であろうか。。。
中に安置されていたのは悪霊ではなく、埃だらけの燃料ポンプだったが、漏れもなく、きれいな状態である。
まさか、新車時からガムテープでくっ付けて、納車されたわけではないだろうから、燃料ポンプは少なくとも一度は交換してあるということだ。
とりあえず燃料ポンプは、問題なしということにしておこう。
しかし、再びガムテープで封印するわけにもいかないので、どうしたものか考えると、「ちょっとナッター」という便利な道具で、ネジ穴を作れるではないか。
これでネジが閉まるようになった。
エンストの原因究明にはつながらなかったが、変な封印を解いてあげたので、これはこれで良しとしよう。
後輪付近からのガソリン漏れは、満タンにしなければ大丈夫だし、他にやることがたくさんあるので、しばらく放っておこう。