シトロエンどうしですれちがったときの話

街中でシトロエンを見かけると、どんな人が乗っているのだろうかと気になってしまう。

一番よく見るのは新旧のピカソで、次はC3エアロクロス、そして宇宙船じゃないほうのDSシリーズも見かける。

これらとすれ違ったり、後ろについたときなど、ついついチラリと見てしまうのだが、相手は別に知らぬ存ぜぬの顔をしている。

このエグザンティアは、一見するとカリーナにも見えなくないから、気が付かなかったのかなと思ったりもするのだが、そもそもそんなに興味がないのであろう。

エグザンティアとはこれまで2回ほどすれ違ったが、一度目は暗い夜道で横を通り過ぎて行ってしまい、二度目はこちらの渋滞中に反対車線を通過していったので、どちらも相手をチラリとも見る余裕がなかった。

しかし、先日関越道を走っていたときのこと。所沢あたりで、流れの良くなった中央車線を走っていると、左車線からBXが現れて、すーっと抜いていった。

おお、走っているBXを見るのは初めてだ。斜め前を走る姿を眺めていると、なんだか向こうは速度を落としているような感じがする。

夜の7時を過ぎていたのだが道路は明るい。ひょっとしてエグザンティアだと気が付いているのかなと思い、少しアクセルを踏んで横に並びながらチラリと左を見る。

すると、BXの人がこちらを見ながら、手を振ってくれているではないか。こちらも嬉しくなって満面の笑みで手を振り返した。

しばらく並走して楽しんでいると、そのBXは少しスピードを上げた。そして、もう一台、後ろからBXが続いていたのだ。その人もすれ違いざまに親指を突き立てて、グッドゼスチャーであいさつをしてくれた。

この親近感はなんだろう。たかが同じメーカーのクルマに乗っているだけの他人なのであるが、もはや同志としてつながっているのである。

こんな機会はめったに訪れないだろうから、記念に2台のBXの後ろに回り、3台並んで走ってみたのであった。