ムルティプラのボンネットダンパーを交換しようとした話

ムルティプラの納車は、整備が終わり次第という、何ともあいまいな感じて決めてきた。ウチにはエグザンティアがいるのでクルマに困ることはないのだが、一つだけ気になることがあった。

それは現地でエンジンをかけてボンネットの中を見せてくれた時のことである。

お店のおじさんが「ボンネットのダンパーがへたっていてね」と言うので、よく見ると、ボンネットを支えるつっかえ棒がないのである。

ボンネットはどの車も、裏に付いているつっかえ棒で支えるとばかり思っていたのだが、ハッチバックのようにダンパーで支えてくれる車もあるのを初めて知った。

過去にプジョーのリアハッチのダンパーがへたって交換し、無駄な出費をした記憶がよみがえる。

「ダンパーなんか余計なものを付けずに、素直につっかえ棒にしておけばいいのに」と思っていると、おじさんも同じような意見らしく、

「まあボンネット開けるのは年に数回でしょうから、その辺の棒で突っ張っておけば問題ないですから」

と交換する気は更々ないようであった。

こんなことを言われたら、「車両総額にダンパーの交換も入ってるんじゃないのか」と不満に思う人もいるだろう。過去の自分でもそうであったかもしれない。

しかし、ハイドロシトロエンと過ごしている今の私は違う。私はこのクルマのダンパーが上がるようにしてもらいたいわけではない。そんなことよりも、なるべく安心して走れるクルマに仕上げてもらいたいので、このお店を選んだのである。

とはいえ、家に帰って考えてみると、あのムルティプラは納車までにけっこうな整備が必要な気がする。その間、ずっと、その辺の棒で突っ張ってボンネットを開けさせるなんて、仙人に申し訳がない。

そこで、こちらでボンネットのダンパーを調達して送ってあげようと思い立ったのである。