甘木さんのところにあるBXは、左ハンドルのGTiだそうだが、普段は保管所に置いてあるというので、次の週末に見せてもらうことになった。
いよいよ乗り換えが現実味を帯びてきて、シトロエンというキーワードで片っ端から情報を集めてみると、そのほとんどはハイドロなるシステムの故障と維持の大変さに関するものである。
どうりであの店は客足が絶えないわけだ・・・5年以上も通っていて、ようやく合点がいった。
しかし、それと同じくらいに「シトロエンでなければ味わえない独特の乗り心地」という言葉がいたるところで紹介されている。
故障が多くて維持が大変なのは困ったものだが、独特の乗り味とはいったい・・・
怪しげな魅力に惹きつけられ、さらにシトロエンについて深く調べていくうちに、もう一台、エグザンティアというクルマに行き当たる。これはBXの後継でハイドロの乗り味を味わえつつも信頼性が格段に向上していると。
そういえば、甘木さんのホームページにもエグザンティアが売りに出されていたことを思い出して訪れてみると、たしかにシルバーのセダンが掲載されている。
しかしその写真ではフロントがずいぶんとぼってりしていて、そんなに魅力的には感じない。どうやらこれはモデルチェンジ後の後期型で、みなさん前期型のほうがお好きらしい。
いったんはあっさりと目の前を通り過ぎたエグザンティアだったが、その後ある動画を見た瞬間にイメージががらりと変わったのである。
曇り空のパリの街とシルバーのエグザンティアは、なんと画になることか。どのシーンを切り取っても胸がおどる。ぼってりとした印象だったボディも、見る角度によってさまざまに変化して、いつの間にか優雅なラインに見とれてしまっていた。
よし、エグザンティアも見せてもらおう・・・そう決心して週末を待ちわびるのであった。