Xantiaに友人を乗せたときの話

 先日、中学時代の友人2人とひさびさに会う機会があった。別に目的もなかったので、ぶらぶらとドライブでもしようかということになり、2人ともシトロエンは初めてだというので、Xantiaで走ることになった。

二人のうちM君のほうは昔は相当なクルマ好きで、クルマにはそれほど興味のなかった私も、昔はいろいろと教えてもらったものである。

そのM君が、助手席に乗って10秒も立たないうちに、こう口を開いたのである。

「なんだ、このクルマ。船に乗ってるみたいじゃねえか。バネじゃないだろう」

M君はGT-S、GT-Rと乗り継いでいたこともある走り好きだが、もちろんシトロエンもハイドロも知らない。それなのに、これからハイドロの説明をしようと思った矢先に、一発で核心をついてきたのである。

「乗り心地が、俺のマークXとは、雲泥の差。すげえな」と感心している。

そういえばこの男は、昔バス釣りが趣味で、船によく乗っていたのでそう思うのだろうか。いや、やはり鈍感な自分とは違い、分かる人は、すぐ気が付くもんなんだろうと、私はそのM君に感心してしまった。

もう一人の友人K君は、後部座席で「船酔いしそう」と言うので、運転をM君、助手席にK君と入れ替わり、私は初めて後部座席を体験することとなった。

よく、エグザンティアは後部座席のほうが乗り心地がいいというコメントを見るが、50キロまでは2速で走るので、前の席よりも室内のエンジン音がうるさく、それほど居心地はよくない。

それが50キロを超えて3速に入ると、音も静かになり、すっと滑るように走るので、たしかに心地よく走ることができる。

前の席では、M君とK君のエグザンティア談義が聞こえてくる。

「コーナーの時に、いつもの癖で体はロールに対して構えるけど、意外に来ないね・・・」

「オートマはこれくらいの4速で十分。加速したりエンブレ効いたりするほうが楽しいわ・・・」

「この橋のうねりを越えるときの感覚が、初めての体験だ・・・」

 

そして、ドライブが終わりに近づいたときM君は言った。

「これは、お前、長く乗っても飽きないクルマを手に入れたな」

 

いつもと違った状況で走ることで、あらためてエグザンティアの魅力に気が付かされた日であった。