LHMオイルレベルの謎について考えた話

LHMのオイルレベルの上限は、先端のフロートか。はたまた二番目の黄色い円盤か。この話題について語られているサイトが以下である。

bxclub.co.uk

これによると、かつてシトロエンから公式で発行されていたBXのハンドブックには、二番目の黄色い円盤がオイルレベルを示すと書かれていたということである。

しかし、これはミスプリントであり、二番目の円盤というのは、オイルレベルが下がってきたときに、アラームを鳴らすセンサーと接触する役割なのだそうだ。

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では、日本のエグザンティアの説明書はどうなっているのか。気になったので説明書を引っ張り出して確認してみると、正しく先端のフロートが赤線の間にある。

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これなら誤解を招かないであろうと思いきや、下の説明文を見ると

「黄色いディスクプレートが上下2本の赤線の間にあれば適量です」という記述がある。

これはいけない。説明書を閉じて「黄色いディスク」「黄色いディスク」とつぶやきながら、ボンネットを開けるころには、挿絵のほうはすっかり頭から吹っ飛んでしまい、目の前にある2番目の黄色い円盤こそが、レベルを指し示すディスクだと勘違いするに決まっている。

これは明らかな翻訳ミスである。英語版のBXのハンドブックがyellow discとなっているので、実車を見ることなくこの英語を翻訳してしまったのであろう。きっとエグザンティアも同じ英文に違いない。

フランスのクルマなのに、英語版を翻訳?フランス語から翻訳するのではないの?と疑問に思われる方もいるだろう。だが、この手の多言語に翻訳するマニュアルというのは、英語版をもとにして翻訳していくものなのである。

謎は解けた。

  • BXの英語版マニュアルのミスプリント
  • 英語版マニュアルの直訳による、実際の色との相違

この2点が勘違いの原因だったのだ。

これまでどれほどの人が、この誤った情報の犠牲となり、LHMオイルを必要以上に継ぎ足していたのだろうか。

最初に紹介した掲示板では、大目に継ぎ足しても問題にはならない。必要以上に入れた分は漏れだしてくるだけなのでと書いてある。

なるほど、先日の補充後に漏れたのはそのせいなのか。

そして、こうも書いてある。

「多い分は漏れてきて、混乱のもととなるだけだ」

なるほど、正しい知識を頭に入れておかなければ、「ハイドロシトロエン=漏れる」と大げさに騒ぎ立ててしまうのだろう。

情報は多いに越したことはないが、正確な情報を見極めなければいけない。そう肝に銘じて、今後もエグザンティアと付き合っていこうと思うのであった。