過去にお店には2回ムルティプラを預けているが、どちらも戻ってくるのに3か月はかかっている。
今回「代車が空いているので使いますか?」と聞かれたのだが、また長いこと預けることになったらと思って、最初は断った。
だが、「まあまあ、長くなったときはそのときで」と勧められたので、それならばと代車のラパンに乗って帰ることにした。
もし、長引きそうなら一回代車を返しに行こうと思っていたのだが、なんと、1週間もしないうちに連絡が来てしまった。
というわけで、日曜日に預けて、その次の土曜日に、ほとんど乗ることもなかったラパンのハンドルを握って、お店に向かったのである。
お店に到着し、担当の方から作業明細を渡されてびっくり仰天。
これまでは1枚目では収まりきらず、2枚目に突入していたのに、10行も使わずに済んでいる。。。こんなに手のかからなくなる日がくるとは。
「エンジン回りはじめ、期間は好調で、特に気になる点はありませんでした」
自分で運転している感覚でも確かにそうなのだが、あらためてプロの目から認定されると心強い。
こちらから依頼した、ガソリン漏れの件だが、ガソリン臭もなく、下回りを注意深く観察した限りでは、どこからか漏れている可能性はないとのこと。
満タンにすると漏れてくるのは事実なのだが、普段の走行に支障がないなら、それで十分である。満タンにしなければ良いだけなのだから。
「今回一番の問題は、ヘッドライトでして・・・」
と担当の方は、最後に難しい顔をして話を切り出した。
予想はしていたが、やはりヘッドライトは問題がありそうである。
一度テスター屋さんで光量不足を指摘され、ロービームの球交換でなんとか通せたものの、ヘッドライト自体が劣化しているのか、左側のカットラインが出にくいので、2年後の車検が通るかは微妙なラインだという。
「長く乗るつもりであれば、左のヘッドライトは調達しておいたほうが良いですね」
と次回の車検までの宿題を渡されて、説明は終わりとなった。
担当の方にお礼を言って帰ろうとしたときに、
「そういえば、乗った感じで電圧が安定していない印象がありましたので、今度アースの追加もオススメですよ」
と言われる。
「アース増設と言われても、なんのことだか」みたいな顔をしていると、このやりとりをそばで聞いていた、お店の代表がこちらに来て、
「まだ時間大丈夫ですか?せっかくだから、これからやっちゃいましょう」
と声をかけてくださり、急遽アース増設作業を施してくれることに。
待つこと30分ほどで、バッテリーに太い線が追加された。
「部品代だけいただければ、工賃はサービスです」
と代表。急な対応にも関わらず、サービスまでしてくれて、こちらとしては頭を下げるばかりである。
「いや、うちのメカで、古いフィアットに慣れているのがいて、効果があるんじゃないかって言うのでね。これで良くなるといいですね」
メカの人とは、きっと預けたときに話をした、ベテラン整備士の方に違いない!
帰りがけに工場の中をぐるりと見渡したのだが、ベテラン整備士の姿は見えず、お礼は言えずじまいになってしまったことだけが心残りである。
しかしながら、信頼できるお店に見てもらうことができて、このムルティプラも幸せ者だなあと感じながら、家に帰ったのであった。