ムルティプラの漏れをふさいだ話

先に断っておくが、自分のクルマだから試してみるのであって、決して人には勧めるものではない。

修理に預けるまでにムルティプラに乗りたいのは、あと3回、距離にして100キロ弱である。

3回くらいなら、ちょびちょびとオイルが漏れていても、バチは当たらないのではと思ったのだが、そのうちの1回は、友人の新居訪問である。

新居先にカタカタうるさいクルマで来て、駐車場でさっそくオイルを垂らされたりしては、いい気分はしないだろう。この先「訪問お断り」なんてことになりかねないので、応急処置的な穴埋めを行おうと考えた。

ネットで検索すると、ムルティプラ以外の車で、ドライブシャフトブーツを応急処置でふさいでいる例がいくつか出てくるが、どれがベストかわからない。

もともと推奨されていない処置なのだから、ベストなんてものはないのだろう。だったら手元であるものでなんとかしたいと思い、シューグーでふさぐことにした。

水漏れにも強いうえに、硬化すると合成ゴムになる特性は、意外にドライブシャフトブーツと相性がいいのではないだろうか、という勝手な思い込みである。

もちろん、シューグーの用途に「ドライブシャフトブーツの修理」「オイル漏れに強い」などとは、どこにも書いてないから、全く根拠のない思い込みである。

ともあれ、ふさぐ手段は手元のもので解決できたので、今度はそれを実行するための道具を見つけることに。

さすがに普通に停まっている状態では、ドライブシャフトブーツまでは潜りこめない。しかし私は、ジャッキやジャッキスタンドなんて大層なものは持っていない。

ジャッキよりも手軽な、カースロープが販売されているが、これを買うくらいなら、他でなにか代用できるものがありそうな気もする。

少しだけでいいから、安定して車高を上げられないだろうかと考えていると、細君の実家の、庭の片隅に置かれていた、園芸用の枕木が頭に浮かんだ。

さっそく2つ拝借して前輪に乗せてみると、カースロープの代用としては十分で、とても安定している。これなら潜っても安心だろう。

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しかし高さはぎりぎりで、180cm、60kgのやせ型の私で、なんとか潜り込め、かなり無理な体制で、やっと手が届く状態であった。

ゴム手袋をした指先に、シューグーを搾り、裂け目のところにやさしく被せるように膜を作る。

そして、24時間寝かせて、様子を見てみる。触った感じでは、しっかりと硬化しているので、1か月くらいは持ちそうだ。

その後走らせてみると、漏れていない。

ただ、無理な体制で作業して、普段伸ばさない筋肉を使ったため体中が痛い。

しかしその甲斐はあり、友人宅でオイルを漏らすような失態は、避けられたのである。