ムルティプラに落ちていたミカンの話

私は人よりも鼻が利くほうである。ムルティプラに乗ってまず気が付いたのは、なんだかカビ臭いということである。

そりゃ掃除がされていないので、カビ臭いのは当然だろうが、それにしても臭うので、コンビニで停めて車内を見てみると、後部座席の下に、なんと!カビで真っ白になったミカンが落ちていた。

このムルティプラが最後に車検を取ったのが平成29年の7月。車検が切れる令和元年に手放したとして、その後は約2年の間放置されていたのだから、このミカンも2年、いやミカンは冬に食べるものだから、少なくとも2年半は、ここに鎮座されていたのだろう。

「せめてこれくらいは気が付いてよ。。。」と怒りがこみあげてくるが、相手は私の父親と同じ歳である。私の父親も片づけが大嫌いで、部屋に放置された食べ残しに、母親がいつも愚痴をこぼしている。そう考えると、自然に怒りから呆れへと感情が変わっていく。

しかし、ミカンだけでなく全体的に汚いので、いっそのこと車内清掃を頼みたいところである。近所のガソリンスタンドで車内のフル清掃をやっているようなので、値段を調べると5万円近くする。

このムルティプラは65万円だった(カーセンサー掲載時は、55万だったが、その後エアコンのコンプレッサーを修理しようということで、10万円追加で支払った)。

当時もう一台気になっていた旧顔ムルティプラがあり、そこはフィアットに精通していそうなお店で、価格が80万円だった。しかし私は一番安い価格と、シトロエンの仙人に賭けて、このムルティプラに決めた。

結局シトロエンの仙人には整備をしてもらえなかったが、これで総額まで80万円を超えてしまったら、とても悔しい。だから掃除ごときに5万も出すわけにはいかないのである。

仕方がない。納車のときにタオルを20枚くらいもらったので、それを掃除用の雑巾として、ありがたく活用させていただこう。

後日、時間をかけて隅々まできれいにしたのである。

 

陸運局で名義変更するのは何十年ぶりのことなので、最初はかなり戸惑ったが、無事に手続きを終えて、晴れて私のもとにムルティプラがやってきたのである。

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