ハイドラクティブIIを試してみた話

普段は週末くらいしかクルマには乗る機会がないのだが、そのときの用事によって、週末ですら乗らないときもある。やはり、クルマは乗らなければ意味もなければ維持もできないということで、あまり乗る機会がないときには、首都高でも周回してみることにした。

C2をぐるりと一周すれば、約60キロ、1時間弱ノンストップで走らせられるので、エグザンティアもさぞ喜ぶであろう。C2ルートには首都高特有のくねくねしたカーブも少ないし、ジャンクションもわかりやすいので、運転するほうもゆったりとドライブを楽しむことができる。

ところで、エグザンティアには、ハイドラクティブIIサスペンションが搭載されており、ハンドルの右脇にスポーツモードボタンが付いている。

 

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カタログによるとノーマルモードは路面状況に応じてサスのソフト/ハードを自動切換えするのに対し、スポーツモードでは、一定の速度に達すると、常にサスをハードに維持するのだという。

世間では、シトロエンのハイドロはソフトな乗り心地であればあるほど良いということらしく、このハイドラクティブIIは、ソフトな乗り心地からは外れていく機能ということなのか、あまり語られることは多くはない。

しかし、せっかくの機能なのだし、当時の開発者たちにはこれを付ける理由あり、アドバンテージがあると自信をもって送り出したに違いない。ということで、この機会に試してみることにする。

首都高に入り、まずは普段通りに10分くらい動かした後、ボタンをぽちっと押してみる。するとボタンのランプが点灯するだけで、スポーツモードに変わった感覚はすぐには感じ取れない。

こんなものかと、しばらく走らせていたときである。

C2ルートにも、所々で首都高特有のアップダウンと高速コーナーが出てくるのであるが、そういった、ややシビアなルートに差し掛かると、いつもとは明らかに挙動が違うのである。

エグザンティアは、もともとコーナーは得意なほうで、安定してスイスイと走るのであるが、ハードモードだと、よりレスポンスが良くなり、なおかつ揺れを抑えながら進んでいく。そのくせに路面に吸い付いついて、グォーっと行くような感覚はそれほどなく、あくまでも小気味良く、路面をスィーっと滑るような挙動を維持してくれるのである。

気のせいかと思い、もう一度スイッチを切って、ソフトモードで走ってみると、柔らかさゆえか、少し安定を欠いてぐらぐらっとする印象は否めなかった。

ひたすらにまっすぐな道を進むのであれば、ソフトモードでゆるゆると走るのが気持ちいいのであるが、首都高のように高速コーナーで車を操る場面では、このハイドラクティブIIは、すこぶる相性がいい。

またひとつ、エグザンティアの奥深さと、走る楽しみを知ってしまった日となった。