下取り契約はリスクのほうが大きかった話

友人の江井君から1日クルマを貸してほしいと連絡が来た。どうしても仕事で使わなければならないのに、自分のクルマは急な故障で修理に出ていて困っているのだという。

どうせ平日に乗ることはなかったので、二つ返事で江井君を呼び寄せた。

「けっこう幅が広いね。ぶつけちゃうかも…」

「182㎝あるからね。まあ、ぶつけてもかまないよ。どうせあと2週間ほどで廃車にするんだから」

そういってプジョー308SWと江井君を見送ったあと、私は気になることがあって、すぐに外車王との契約書を引っ張り出した。

そこには、引き取りまでに追加で傷をつけた場合は、査定額を引き下げるというようなことが小さく書いてある。

1万8000円なのに、さらに引き下げるだと…。

そして、去り際に江井君にかけた言葉が頭をよぎる。

あれは安心させてやるためのジョークだったが、アイツ本気にしてぶつけないだろうな…。

結局クルマは何一つ問題なく戻ってきたのだが、余計な心配を抱き、一日過ごす羽目になった。

 

それから一週間ほどたち、9月末になった。エグザンティアの納車準備をお願いしている甘木さんから、一向に連絡がこないので、こちらから連絡してみると。

「あれ、10/5に納車だったけ」

などとすっとぼけた返事をしてきた。

しまった。甘木さんは腕はいいが、人の話をあまり聞いていないことを忘れていた。いつもならメールで期日などをしっかりと書いてお願いしていたのであるが、今回は口約束のまま今日まで来てしまったのであった。

忘れていたのなら仕方がない。次の週にはできるというので、1週間納車を延期することにした。

しかし、ここで私はまた気がかりなことがあったので、外車王との下取り契約書を引っ張り出した。

そこには、期日までに車両を引き渡さない場合、10万円を支払うと、小さな文字で書いてある。

1万8000円のくせに、10万円だと…。

納車が遅れたのでもう一週間プジョーを使おうと思った目論見はあっさりと崩れた。

 

たかだか数万円の査定額のクルマに、出張査定を呼んで早々に買取契約を結んでしまうのは、相当なリスクをしょい込むだけなのだ。

カーネクストにしておけば、当日契約書を交わすだけなので、傷がつこうが査定額には変更がなかったはずである。

さらにいえば、オークランド東京などで持ち込みにしておけば、査定額もアップした上に急な納期の変更にも対応できたかもしれない。

わざわざ安い査定額のところと契約して、こんなリスクを背負ってしまったという話であった。